平成29年10月1日より、認知症疾患医療センターの指定を受け、事業運営を開始いたしました。
電話番号:0987-72-3565(直通)
認知症疾患医療センターとは
宮崎県が指定した医療機関で行われる、地域の保険医療・介護機関と連携を図りながら、認知症疾患および合併症に対する医療を提供し、認知症に関する知識の普及・啓発を目指す事業です。
認知症疾患医療センターの業務
1.専門医療機関として
- (1) 認知症かどうかの診断(鑑別診断)を行います
- (2) 認知症についての専門医療相談を受けます
- (3) 介護や福祉の関係者と連携し、地域体制で認知症の方をサポートできる体制を図ります
- (4) かかりつけ医・医療関係者の皆様と連携し、認知症が疑われる患者様へ迅速で適切な医療を提供します
- (5) 認知症の周辺症状・身体合併症への対応を行います。
診断から治療まで
- お電話でのご相談
- 検査、診察等の予約
- 予約日来院
検査・診察 - 診断
治療
お電話でのご相談専門のスタッフを配置しております。ご本人、家族の方、関係機関からの相談を受けて、検査診察の日程を予約します。検査は頭部CTや血液検査、心理検査などをおこないます。
ご本人様の状況により、MRIやSPECT(脳血流検査)を協力医療機関にておこなっていただきます。
2.地域連携の担い役として
- (1) 認知症について研修会や勉強会を開催します
- (2) 認知症医療について、地域の皆様への普及・啓発を行います
家族・介護者・地域の皆様へ
認知症でお困りの方はお気軽にご相談ください。
(認知症疾患医療センターの営業曜日・時間記載)
相談窓口 平日08:00~17:00
電話番号 0987-72-3565(直通)
認知症とは
いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態のことを指します。
- 家電の操作がわからない
- 何度も同じ話をする
- 外出先からの帰宅の道順がわからない
- 今日は何曜日だったのかわからない
- 言葉が出ずにあれとかこれと言う
- ATMでお金のおろし方がわからない
- 親しい人の顔を見ても名前が思い出せない
- やる気が出ない
- 怒りっぽいといわれる
- 物をどこに置いたかわからない
日常生活に困る状況が多く出ると、場合によっては生命の危険にも発展しかねません。
周りの人たちにも迷惑をかけることになりかねません。
「加齢による物忘れ」と「認知症による物忘れ」の違い
加齢による物忘れは「老化」です。ヒントがあれば思い出すことができ、本人に忘れているとの自覚があります。症状に進行性はなく、日常生活に支障をきたしません。
認知症による物忘れは「病気」です。ヒントを与えても思い出すことができません。また、本人に物忘れの自覚もありません。進行性であり、日常生活に支障をきたします。
「あの、ほら、赤いの!」「リンゴ?」「そうそう、リンゴ」と言えれば老化です。
リンゴ自体がわからない、さらにはわからないことが自覚できないとなると認知症となります。
記憶障害や理解・判断力低下を引き起こし、妄想や、うつ感に不安感、無気力といった感情障害などの精神症状を、あるいは徘徊、興奮、攻撃、暴力などの行動の異常を起こすことがあります。
こうなると本人よりも周りの家族の方にたいへんなストレスをもたらすことになります。
ご自身、あるいは家族にこのような症状が見られたら、早期に正しく検査を受けることが大事です。症状に応じた治療を早めにおこなうことで、ご本人や家族の方のその後の生活を大きく左右します。
気になる症状などがある場合、言動が以前と違う場面があるような際には認知症疾患医療センターにご相談ください。
代表的な認知症
以下の4つの代表的な認知症があります。
アルツハイマー型認知症
もっとも多い認知症です。短期の記憶障害があり、ついさっきのことを忘れます。同じことを繰り返し聞いたり話したりします。また、判断力も低下していきます。ものごとのよしあしがわからなくなり、ゴミなどをテーブルの上に捨ててしまうという周りを驚かせるような行動をします。
次第に重くなるため、本人、周囲も気づかずに進行する場合が多くあります。
特殊なたんぱく質が増加し、脳神経細胞を死滅させることによる脳の機能低下が原因とされています。
脳血管性認知症
笑っていた人が急に怒り出すなど「感情失禁」という症状が見られます。身体に麻痺が起きたり、歩行困難になったりします。
箸の使い方がわからなくなったり、右と左の区別がつかなくなったりします。昨日はできていたことが今日はわからないなど「まだら認知」があります。
脳の血管の障害が原因で、生活習慣病から引き起こされる脳梗塞や脳出血による発生が多くあります。
レビー小体型認知症
動作が緩慢になり、小刻みにしか歩けない、手足が震える、筋肉がこわばるなどの症状が出ます。それにより転倒し大怪我にいたる場合もあります。
また幻視や誤認といった症状も出ます。睡眠障害がおき、感情の起伏もはげしくなります。レビー小体という塊が脳内にできることが原因で脳の機能低下をひきおこします。
前頭側頭型認知症
脳の前頭葉には理性的な思考、感情のコントロールといった生きるために不可欠な機能をつかさどっています。側頭葉は聴覚、嗅覚をつかさどり、言語や記憶にも大きくかかわっています。同じ行動を繰り返す「常同行動」や理性が働かなくなり、社会のルールがわからなくなり、割り込みや万引きなどをしてしまう場合もあります。
原因ははっきりしていませんが、対症療法で症状を抑えることで対応しています。
かかりつけ医・医療関係者の皆様へ
当センターへ患者様をご紹介頂く場合
当センターに患者様を紹介した場合、紹介元医療機関では診療情報提供料(250点)に加え、以下の診療報酬が請求できます。
1.認知症専門医療機関連携加算 100点
認知症の疑いのある患者について、専門医療機関での鑑別診断等で必要な場合に、専門医療機関に紹介を行う際の診療情報提供料に加算
2.認知症専門医療機関連携加算 50点
外来で管理している認知症患者(認知症専門診断管理料を算定する専門医療機関において既に認知症と診断された患者)について、 症状が増悪した場合や定期的な評価が必要な場合に、専門医療機関に紹介を行う際の診療情報提供料に加算
※当センターへ患者様をご紹介頂く際は、こちらから診療情報提供書をダウンロードしてご利用頂くと便利です。
診察情報提供書(EXCEL形式)